マッチングアプリの初デートで会話が続かない男へ ― 質問を止めろ、開示しろ

霧崎アカネ

「休日は何してるんですか」「好きな食べ物は」「旅行はどこに行きました?」

相手が答える。また質問する。相手が答える。また質問する。

これは会話ではない。インタビューだ。

自分も7人と会って、最初の6人のデートが全部これだった。沈黙が怖いから質問する。質問すれば相手が話してくれる。話してくれている間は「盛り上がっている」と錯覚する。

しかし相手の側から見れば、「聞かれた→答えた」の一方通行でしかない。自分は何も開示していない。相手だけが情報を差し出し続けている。

なぜ質問攻めがダメなのか

質問攻めの問題点は3つある。

1. 相手だけが丸裸になる

質問する側は安全地帯にいる。自分の情報は一切出さず、相手の情報だけを引き出している。相手はどんどん情報を渡しているのに、こちらは何も渡していない。この不均衡に、聞いている本人だけが気づいていない。

2. 「面接されている」感覚を与える

転職の面接を思い出してほしい。質問→回答→質問→回答の連続は、相手をリラックスさせない。デートなのに面接を受けている気分にさせたら、2回目はない。

3. 話題が浅いままで終わる

「趣味は?」「映画です」「どんな映画が好き?」「洋画です」。質問を重ねても、表面的な情報の交換で終わる。深い話に入るには、まず自分が深い話をしなければならない。

質問の代わりにやること

自己開示。 自分のことを先に話す。

質問攻めの会話:

自分「休日は何してるんですか?」 相手「カフェとか行きます」 自分「どの辺のカフェですか?」 相手「渋谷とか…」

自己開示がある会話:

自分「この前の日曜、三軒茶屋に焙煎所見つけて入ったんですけど、エチオピアの豆がめちゃくちゃ良くて。カフェとか行きます?」 相手「行きます!私も最近コーヒーにハマってて、豆から挽くようになりました」

同じ「カフェが好き」という情報に辿り着くのに、後者は会話が勝手に広がっている。自分が先に具体的な話をしたから、相手も具体的な話を返しやすくなっている。

自己開示の3つのルール

ルール1:先に出す

相手に質問する前に、自分の話を1つ出す。「最近〇〇にハマってて」「先週〇〇に行って」から始める。質問はその後でいい。

ルール2:固有名詞を入れる

「映画が好き」ではなく「先週パラサイトを4Kリマスターで観た」。固有名詞が入ると相手がリアクションしやすい。「パラサイト面白いですよね」でも「4K!こだわり派ですね」でも、会話が続く接点が増える。

ルール3:失敗談を入れる

自慢話より失敗談の方が親しみやすい。「先週カレー作ったら鍋焦がして、1時間コゲと格闘してた」。完璧な人間より、不完全な人間の方が話しやすい。

沈黙は敵ではない

質問攻めの根本原因は「沈黙が怖い」だ。

しかし沈黙は悪いことではない。2人とも黙ってコーヒーを飲んでいる時間が自然に存在する関係の方が、質問攻めでギッチリ埋めた90分より健全だ。

7人目のデート(今の妻)では、沈黙が怖くなかった。質問攻めにしなくても会話が続いた。全員に対して同じ自分が出るわけではない、というのは事実だ。ただし、自己開示のスキルがあれば、沈黙の恐怖は減る。

会話の前にプロフの話

デートに辿り着いているなら、プロフは足切りを超えている。問題はその先にある。

ただし、冒頭2行で足切りされているなら、会話の改善より先にプロフを直した方がいい。量産型プロフのままでは、そもそもデートに辿り着けない。


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